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極上のフレンチトーストを召し上がれ
Peter Svidler Georg Meier
あの子はフレンチが好きなんだけど、俺はイタリアンが好きなんだよ。
イタリアンじゃなくて、スペインでもいいんだけどさ、フレンチは苦手なんだよ。
どうかフレンチだけは勘弁してくれ、あ、チェスの話ですよ。

今回の棋譜は対フレンチ解説です。白のスペース活用術、黒のポーン構造とビショップの関係。
異色ビショップとアウトポストの強さなどが注目点です。ご覧あれ。


Peter Svidler

チェス24の解説者、ゲーマーとして有名。白ではe4、黒ではグリュンフェルドを指す。

Georg Meier

普段は銀行員と働いているがR2600↑の一流プレイヤー。黒でフレンチを指す。

1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nc3 Nf6

フレンチの大きな分岐点といえばこの3手目です。
3.Nd2ですとタラッシュ 3.e5ですとアドバンス 3.dxe5ですとエクスチェンジになります。
3.Nc3 Bb4という強襲はwinawerバリエーションと呼ばれており、シャープな変化です。
(winawerはウィナワーとスペル読みしたり、ヴィナヴェルと本来の発音に近いもの二種類の読み方があります
多くの人に通じるのはウィナワーだと思うので、とりあえずこちらで読むのをお勧めします。)

4. e5 Nfd7

ここで黒は白にe5を強制したと考えるのが大事です。
フレンチディフェンスのテーマは白のe4d4構造を許さないことにあります。
白にe5を突かせた後で、c5や時にf6でセンターを破壊するのが狙いです。

5. f4 c5!

白のf4という手に注目。
これはe5ポーンを支えつつ、時にf5と突いて黒のキングサイドを崩壊させるキームーブです。
黒のc5という手は非常にテーマとなる手で、これを突かなきゃフレンチは始まらない印象があります。

6. Nf3 Nc6 7. Be3 cxd4

黒の7手目は色々ありますが、今回は単純なバリエを選択。

8. Nxd4 Qb6

強制力のある変化になりました。白はb2ポーンを捨ててアクティブに指すのが最善とされてます。

9. Qd2 Qxb2 10. Rb1 Qa3 11. Bb5 Nxd4 12. Bxd4 Bb4 13. Rb3 Qa5

この13.Rb3は覚えておきたい一手。bポーンを失った代償に白はRをアクティブに使うことができます。
Rb3-Rg3などと将来的に色々な可能性がある手です。ちなみに13.O-Oのほうがメインです。

14. a3 Be7

ここで14...Bxa3?とできないことに注意。白はNxd5とポーンを取れます。
14...Bxa3? 15. Nxd5! Qxd2+ 16. Kxd2 exd5 17. Rxa3 
最終的に黒の陣形は脆く駒が一切展開されてない悪型になります。
14...Bxc3 15. Bxc3 Qd8 16. Bb4!
の形も黒はキャスリングを封じられ非常に息苦しい形です。

15. f5! exf5

白のテーマチックな手f5はぜひ覚えたい一手。この時e5ポーンの紐が一つ外れるので注意は念入りに。

16. Nxd5 Qxd2+

Q交換を嫌悪する人はいますが、局面が求めるのであればその手を指すべきだと思います。
そしてQ交換したからといって攻めが切れるわけじゃありません。
白の優れたピース配置によるプレッシャーは続きます。

17. Kxd2 Bd8

白はキングがセンターにいますが、Qレスミドルゲーム、強力なセンターコントロールのおかげでむしろ好位置です。
黒のd8Bはヘンテコですが、c7を守ってあったりと仕事してます。
評価値も悪くないですし、ポーンアップなので守り切れば黒問題ないと思いますが人間には難しいポジションです。

18. Rc3 Ba5?!

18...a6!がオンリームーブとソフトは主張しますが、b6マスがホールになったりと欠点もある手なので難しいですね。
持ち時間を見ましょう、白は18.Rc3の一手にに22分 黒は18...Ba5の一手にに46分消費してます。
ここら辺がプレパの切れどころ、戦略のターニングポイントというところでしょう。

19. Nc7+ Bxc7

黒は黒マスビショップをあきらめてます。
フレンチは構造上黒マスビショップが防御の鍵になることが多いので、安易には手放したくない存在。
(フレンチは白マスBが非アクティブバッドBで、黒マスBがアクティブグッドBになりやすい)

20. Rxc7 Kd8

黒と白は互いにセンターにいますが白のほうがずっと安全です。
なにより白のキングはバックランクにいないためルークの邪魔をしていないのは大きい。

21. Rc3 Nf8 22. Bc5 Bd7 23. Bxf8! Bxb5!

通常バックランクにいるナイトを取る手というのは筋悪です。がここでは明確な継続手があります。
黒は23...Rxf8? 24. Rd3! という手順にはまらないように注意です。ビショップが落ちます。
このやりとりで大事なのはお互いに異色ビショップということです。
相手のビショップの利きを自分のビショップでガードできないため防御側が不利です。
「異色ビショップ 中盤では攻撃側有利、エンドではドロー模様」覚えておきましょう。

24. Bxg7 Rg8 25. Bf6+ Kd7

このf6に埋め込まれたビショップというのは黒からすれば気持ち悪いもので取り除きたいのですが
異色のために、駒損なく取り除くことは不可能です。

26. Rd1! f4?!

26...Rxg2はクリティカルな手だったでしょう。
しかし26...Rxg2+ 27. Ke3+ Ke8 28. Rc7 Bc6 29.e6等 白の攻めは続きます。
とりわけ7ランクのルークというのはそれだけで1ポーンの価値があると言われるくらいなので
難しいところ。
代わりに指したf4の手によって黒はKe6-Kf5と脱出口を作っています。

27. g3! fxg3? 28. Kc1+! Ke8

この白のg3という手がトリッキーな手で黒は自分の歩調を乱してしまいました。
先ほど指したf4という手によって黒はKe6-Kf5の脱出口を作ったつもりでした。
・・が27...fxg3 28.Kc1 Ke6?? 29.Rf3!という手で黒は敗勢になります(次のRd6#が強すぎる)。
そういうわけで黒は危うげなバックランクへ。

29. hxg3 Bc6? 30. Rd4! Rg6

白の美しいピース配置に比べて、Ra8はみずぼらしい位置にあります。

31. Rcd3 Kf8

31. Rcd3は狙いを持った手で、31...a6等とパスみたいな手を指すと32.Rd8+で試合終了。
Kf8と先に寄っておくことで31...Kf8 32.Rd8+ Rxd8 33.Rxd8 Be8という手を用意しています。

32. Rh4 h6 33. g4! Bb5

白のg5突き捨てが強力です。

34. Rd2 Re8 35. g5! Rxg5

ここで35...hxg5? 36. Rh8+ Rg8 37.Rxg8+ Rh2!で黒はメイト確定です

36. Rxh6 Rg8

目先の駒得である、36.Bxg5??なんてしないように。Bxg5でも勝てるような気はしますが。

37. Rdh2 1-0

白のRh8の狙いが強く、逃れようがないです。異色ビショップでの強さ、f6Bの強さがわかる棋譜ですね。
1. e4 e6 2. d4 d5 ... 閲覧数: 68 19年06月24日