チェス入門

チェス入門

チェス入門


 ようこそチェスの世界へ!
 ここはチェスの入門サイト。駒を動かしながら楽しくチェスのルールを学べます。

 さあ、第一歩を踏み出しましょう!

チェス入門 - チェスのルールを駒を動かしながら学ぼう!


ゲームの進み方


 チェスは、の駒をお互いに動かして争うゲームです。
 そして、相手の「キング」という駒を追いつめた方の勝ちになります。


 チェスでは白の駒先手となり、最初に駒を動かします。


駒の動かし方


 チェス入門では、駒を動かしながらチェスのルールを学んでいきます。
 そのときの操作方法を、簡単に紹介します。


 下の画像の中の白い駒を、つかんでください。
 次に、駒をつかんだまま、どこでもいいので赤く表示されたマスに落としてみてください。

 この「1回、駒を動かす」ことを「1手」と呼びます。


 ※駒がつかみづらい場合
 駒を選択し、赤く表示されたマスを選ぶことでも移動できます。


駒の種類と動き方

チェスの駒


 チェスの駒は6種類あります。

ポーンポーン(兵隊)
ナイトナイト(騎士)
ビショップビショップ(僧侶)
ルークルーク(戦車)
クイーンクイーン(女王)
キングキング(王様)

 チェス駒の動きを覚えれば、チェスのルールは覚えたようなものです。

 それでは実際に駒を動かしながら、チェス駒の動き方を学んでいきましょう。

チェス駒の動き


ルーク


 ルークは「戦車」です。将棋でいう「飛車」にあたります。
 古代の戦車、車輪の付いた塔の形をしています。

 ルークは縦方向と横方向に何マスでも進めます。

ルークの動き


 進んだ先に味方の駒があった場合は、その手前で止まります。飛び越すことはできません。

 相手の駒があった場合は、相手の駒を取ることができます。

ルークの駒を取る動き


 さあ、それでは実際に動かしてみましょう。
 ☆マークの付いた黒のルークを2手で取って下さい。

 今回は特別に相手を動けなくしてあるので、安心して取りにいって下さい。


ビショップ


 ビショップは「僧侶」です。将棋でいう「角行」にあたります。
 僧侶の帽子の形をしています。

 ビショップはナナメ方向に何マスでも進めます。

ビショップの動き


 進んだ先に味方の駒があった場合は、その手前で止まります。飛び越すことはできません。

 相手の駒があった場合は、相手の駒を取ることができます。

ビショップの駒を取る動き


 さあ、それでは実際に動かしてみましょう。
 ☆マークの付いた黒のビショップを2手で取って下さい。

 今回も特別に相手を動けなくしてあるので、安心して取りにいって下さい。


クイーン


 クイーンは「女王」です。ルークとビショップの動きを合わせ持つ最強の駒です。
 女王の冠の形をしています。

 クイーンは縦方向、横方向、ナナメ方向に何マスでも進めます。

クイーンの動き


 進んだ先に味方の駒があった場合は、その手前で止まります。飛び越すことはできません。

 相手の駒があった場合は、相手の駒を取ることができます。

クイーンの駒を取る動き


 さあ、それでは実際に動かしてみましょう。
 ☆マークの付いた黒のクイーンを2手で取って下さい。

 今回も特別に相手を動けなくしてあるので、安心して取りにいって下さい。


ナイト


 ナイトは「騎士」です。将棋でいう「桂馬」にあたります。
 騎士が乗る馬の形をしています。

 ナイトは将棋の桂馬の動きに似ています。
 しかし、その動きは桂馬よりも激しく、前後左右に桂馬の動きができます。

ナイトの動き


 前後左右に2マス進んで、その左右が移動場所と覚えてみてください。

 わかりづらいですね。
 動画を用意してみたので、これでイメージしてみてください。


 ナイトは、移動元と移動先の間に他の駒があっても飛び越すことができます。

 移動先に相手の駒があった場合は、相手の駒を取ることができます。
 味方の駒があった場合、そこへは移動できません。

ナイトの駒を取る動き


 さあ、それでは実際に動かしてみましょう。
 ☆マークの付いた黒のナイトを2手で取って下さい。

 今回も特別に相手を動けなくしてあるので、安心して取りにいって下さい。


ポーン


 ポーンは「兵隊」です。将棋でいう「歩兵」にあたります。
 最も弱い駒ですが、大きな力を秘めています。

 ポーンは移動する動きと、相手の駒を取る動きが違います。
 ほんの少しややこしいので、別々に紹介しましょう。


 ポーンは前の方向へ1マス進めます。
 最初の位置からの移動のみ、2マス進むこともできます。

 ただし、目の前に他の駒があった場合は、進むことも、その駒を取ることもできません。

ポーンの動き


 ナナメ前に相手の駒があった場合、その駒を取ることができます。
 ポーンは駒を取るときだけ、ナナメ前に進めます。

ポーンの駒を取る動き


 さあ、それでは実際に動かしてみましょう。
 ☆マークの付いた黒のポーンを取って下さい。

 今回も特別に相手を動けなくしてあるので、安心して取りにいって下さい。


 相手のポーンの動きは、こちらとは逆になることに注意しましょう。
 黒のポーンにとって「ナナメ前」とは、こちらから見ると「ナナメ下」になります。

 確認しておきましょう。黒のポーンは、どちらの白のポーンを取れるでしょう?


キング


 キングは「王様」です。将棋でいう「王将」にあたります。
 王様の冠の形をしています。

 キングは縦方向、横方向、ナナメ方向に1マス進めます。

キングの動き


 移動先に相手の駒があった場合は、相手の駒を取ることができます。

 味方の駒があった場合、そこへは移動できません。

キングの駒を取る動き


 キングは相手の駒に取られる場所へは移動できません。

 下の図でいうと、☆マークの場所は相手のルークに取られてしまうので、移動できません。

キングの動ける範囲


 さあ、それでは実際に動かしてみましょう。
 ☆マークの付いた黒のポーンを3手で取って下さい。

 今回も特別に相手を動けなくしてあるので、安心して取りにいって下さい。


駒の並べ方


 下の図がゲームを始めるときの駒の並びです。
 黒の駒は、白の駒を鏡に映したような配置になり、お互いのキングが向き合うことになります。

 チェス盤の向きは、右下のマスが白になるように置きます。

チェスの駒の並べ方


 それでは、駒をつかむと名前が表示されるので配置を覚えてみましょう。

 駒は自由に動かせるようにしてあります。
 駒の「形と名前と動き」が一致するまで、覚えたことを振り返ってみてくださいね。


チェックとチェックメイト

チェック


 チェックとは、次の1手でキングを取りにいける状態をいいます。
 簡単にいうと「相手のキングを攻撃している」と、いうことです。将棋でいう「王手」ですね。

 下の図では白のルークがチェックしています。

チェスのチェック


 では、実際にチェックしてみましょう。

 1手でチェックしてください。
 どの駒がチェック(キングを攻撃)できるか、見極めてくださいね。


チェックの回避


 チェックをされたときは、キングを取られないようにしないといけません。
 チェックを回避する方法は3つあるので、紹介しましょう。


 下の図では、白が黒のビショップにチェックされています。
 この状態からチェックを回避する方法を紹介します。

チェスのチェックの回避


 1.キングを安全な場所に移動させる

キングを安全な場所に移動させてチェックを回避


 2.チェックしている駒とキングの間に、他の駒を割り込ませる

駒を割り込ませてチェックを回避


 3.チェックしている駒を取る

駒を取ってチェックを回避


 それでは、実際にチェックを防いでみましょう。
 いま、黒のルークにチェックされています。
 防ぎ方は3つあるので、右下にあるリトライボタンを利用して3つとも探してみてください。


 ずいぶん簡単にチェックを防げたのではないでしょうか?

 本来ならナナメ方向にいくらでも動けるビショップが、黒のルークを取るマスにしか動けませんでしたね。
 一番活躍しそうなクイーンにいたっては、一歩も動くことができなかったはずです。

 そう。チェックをされたら、チェックを防ぐ手しか打てないのです。


チェックメイト


 チェックメイトとは、今の1手でゲームが終わったことを意味する言葉です。
 実際のゲームで必ず言わなければいけない、というルールはありませんがカッコイイので言いましょう。

 それでは、どのような状態をチェックメイトと呼ぶのでしょうか?


 チェックをされたら、チェックを防ぐ手しか打てないことを「チェックの回避」で学びました。
 そのとき、チェックを防ぐ手がなかったら?

 それをチェックメイト(詰み)と呼ぶのです。
 相手をチェックメイトすれば、あなたの勝ちです。ゲームはそこで終わります。


 下の図は、いま白がルークを動かして黒をチェックメイトしたところです。
 黒にはチェックを防ぐ3つの手が、どれもありません。

チェックメイト

・ 黒のキングは安全な場所へ移動できない
・ チェックしている白のルークと黒のキングの間に、他の駒を割り込ませられない
・ チェックしている白のルークを取れない


 では、実際にチェックメイトしてみましょう。

 1手でチェックメイトしてください。
 どうしてもわからないときは「正解」ボタンを押して解答をみてください。


ステイルメイト


 ステイルメイトとは、駒を動かす番なのに動かせる駒がない状態をいいます。

 ステイルメイトになれば引き分けになります。
 チェスのルールではパスができないので、動かせる駒がなければゲームが終わるのです。

ステイルメイト


 ステイルメイトは「チェックメイト」と似ていますが、決定的な違いがあります。

 次の場面は、白(あなた)がチェックメイトされてしまったところです。
 次はあなたの番ですがチェックを防ぐ手がないので、動かせる駒がないことを確認してみてください。

・ 白のキングは安全な場所へ移動できない
・ チェックしている黒のクイーンと白のキングの間に、他の駒を割り込ませられない
・ チェックしている黒のクイーンを取れない


 次の場面も似たような配置で、白(あなた)は動かせる駒がありません。

 しかし、こちらは「チェック(キングを攻撃)」がされていないのです。
 このようにチェックされていないのに動かせる駒がないと、ステイルメイトで引き分けになります。


 次の場合は、似たような状況ですが白はポーンを動かせます。
 この場合はステイルメイトにはなりません。白はポーンを動かさなくてはいけません。

 白はくやしいですね。
 動かせるポーンが残っていたばっかりに、黒の次の1手でチェックメイトされてしまうのですから。


 では、チェックをしないで黒の駒を動けなくしてみましょう。
 チェックメイトして勝てる状況ですから、実際のゲームでこんなことをしたら大失敗です。

 1手でステイルメイトにしてください。
 どうしてもわからないときは「正解」ボタンを押して解答をみてください。


チェックメイトに必要な駒


 相手の駒がキングのみになったとします。
 まるはだかになったキングを、あなたはチェックメイトしにいきますね。

 そのとき、あなたは次のいずれかの駒を持っていなくてはなりません。


クイーンクイーン

ルークルーク

ビショップ&ビショップビショップビショップ

ビショップ&ナイトビショップナイト

ポーン昇格できるポーン(昇格については後に学びます)


 最低でもこれらの駒がないと、はだかのキングをチェックメイトすることはできません。
 お互いにチェックメイトの戦力がなくなったときは、引き分けになります。


 それでは、キングと協力してこれらの駒で実際にチェックメイトしてみましょう。

 すべて1手でチェックメイトして下さい。


キング&クイーンキングクイーン


キング&ルークキングルーク


キング&ビショップ&ビショップキングビショップビショップ


キング&ビショップ&ナイトキングビショップナイト


 4つの連続解答おつかれさまでした。
 最低限の駒があればチェックメイトできるのを、なんとなくイメージできましたか?


 ちなみに、ここで紹介してきたのは「相手がキングだけ」になった場合のお話です。
 相手にキング以外の駒があった場合、ここで紹介した戦力がなくてもチェックメイトできることもあります。

 1手でチェックメイトしてください。


勝ちと引き分け


 どうすればチェスで勝ちになるのか、わかってきましたね。
 これまで学んだほかにも、勝ちや引き分けになるルールがあるのでまとめて紹介します。


 ■勝ち■
 ・ チェックメイトしたとき
 ・ 相手が降参したとき


 ■引き分け■
 ・ ステイルメイトになったとき
 ・ お互いがチェックメイトできる戦力を失ったとき
 ・ どちらかが引き分けを提案して、相手がそれを受け入れたとき
 ・ 50手の間、駒の取り合いが起こらなかったとき
 ・ 3回、盤上が同じ形になったとき


特殊なルール

チェスの特殊ルール


 チェスには特殊なルールがあります。
 特殊ルール3つあり、覚えておけばゲームを有利に進めることができます。

 まずは、どのような特殊ルールがあるのかを簡単に紹介しましょう。


プロモーション … ポーンを強力な駒に昇格させる

プロモーション


アンパッサン … 2マス進んだポーンを特殊な動きで取る

アンパッサン


キャスリング … キングを入城させて防御を固める

キャスリング


 どれも覚えておきたい魅力的なルールですね。
 それでは、この3つの特殊ルールをひとつずつ学んでいきましょう。


プロモーション(昇格)


 ポーンはいちばん奥まで進むことができれば、強力な駒に昇格することができます。
 この特殊ルールをプロモーションといいます。将棋の「成る」と似ています。

 プロモーションしたあとはゲームが終わるまで、そのままプロモーションした駒でいられます。

チェスのプロモーション(特殊ルール)


 プロモーションで、ポーンが昇格できるのは次の4つの駒です。
 ふつうは最も強力なクイーンになります。

クイーンクイーン
ルークルーク
ビショップビショップ
ナイトナイト

 では、プロモーションを使ってみましょう。

 2手でチェックメイトしてください。


 コンピュータ上では自動的に選んだ駒に変わってくれますが、実際に盤と駒を使用しているときは自分の手で駒を変える必要があります。

 プロモーションを行う時点では、相手がこちらの駒をたくさん手に入れていることがほとんどですから、取られたクイーンの駒を再使用します。
 もしも、同じ色のクイーンが2つ存在するような状況になったときは、ルークを逆さまに置いてクイーンの代わりとするのが一般的です。


アンパッサン


 アンパッサンは、2マス進んだポーンを特殊な動きで取ることができるルールです。

 ポーンは最初の位置からの移動のみ、2マス進むこともできると学びましたね。

2マス進んだポーン


 しかし、あわてて進んだからでしょうか。実は1マス目に残像を置き去りにしてしまうのです。
 実際には見えませんが、イメージするとこんなかんじです。

残像を残すポーン


 この残像。なんと、相手のポーンにだけは見つかってしまうのです。

チェスのアンパッサン(特殊ルール)


 残像を取られてしまうと・・・

アンパッサンで残像を取られるポーン


 本体も消えてしまうのです。これをアンパッサンといいます。

アンパッサンで本体が消滅するポーン


 残像は、ポーンが2マス進んだ直後にだけ現れます。
 相手の次の1手が終われば、残像は消えます。

 アンパッサンが起こるのは、残像が残っているあいだだけです。


 ポーン以外の駒は、たとえ残像がいるマスに移動しても、残像を取ることはできません。
 もちろん、残像に移動を邪魔されることもありません。

ポーン以外は取れない


 ひとつ、勘違いしやすい形があるので紹介しておきます。

 次の状態でも、白のポーンは残像を置き去りにしてしまいました。
 黒のポーンは残像をみつけています。

残像を見つけるポーン


 しかし、黒のポーンは真横の駒は取れませんから、残像を取ることはできません。
 アンパッサンにはなりません。

アンパッサンにはならない


 では、実際にアンパッサンをやってみましょう。

 まずポーンを1マス進めてください。
 あなたには見えるはずです。黒のポーンの残像が。(たとえ見えなくても取りましょう)


キャスリング(入城)


 キャスリングは、1手でキングとルークを同時に動かして安全な陣形をつくるチェスの特殊ルールです。

 キャスリングすることで、防御面を強化することができます。

チェスのキャスリング(特殊ルール)


 キングは1マスしか進めないルールの駒でしたね。
 しかし、条件が整えば「キャスリング用の移動できるマス」が現れるのです。

 キングを☆マークのマス(キャスリング用のマス)へ1手で移動させてください。


 これがキャスリングです。まるで、キングが安全なお城の中へ入っていくように見えますね。
 キャスリングはキングとルークの共同作業なのです。

 キングがルーク側に2マス動き、ルークがキングの反対側に移動します。
 キャスリングだけは、1手で2つの駒が動きます。


 キャスリングは左右どちらにもできます。
 右下のリトライボタンを利用して、とりあえずこの動きに慣れてください。


 キャスリングをするには、いくつかの条件が必要です。
 条件は4つありますが、そんなにむずかしいものはないので駒を動かしながら覚えていきましょう。


 1)キングと、キャスリングをするルークが、一度も動いていないこと

 右側のルークを、どこでもいいので移動させてから元の位置に戻してください。
 そのあと、キングをつかんでみましょう。右側のキャスリングができなくなったことがわかります。

 一度動いてしまうと、たとえ元の位置に戻してもキャスリングはできなくなるのです。
 キングが動いてしまった場合は、左右どちらもキャスリングができなくなります。


 2)キングと、キャスリングをするルークの間に、ほかの駒がないこと

 まずは、キングをつかんでみましょう。左側のキャスリングができないことがわかります。

 では、左側のナイトを移動させて通路をつくってあげましょう。
 左側のキャスリングもできるようになりましたね。


 3)チェックされていないこと

 今、黒のルークにチェックされています。
 キングをつかんでみましょう。キャスリングができないことがわかります。

 では、ナイトを使って黒のルークのチェックを防いでください(防ぎ方は2通りあります)。
 キャスリングができるようになりました。


 4)キングが通過するマスと、到達するマスが攻撃されていないこと

 下の図の赤く表示されているマスが攻撃されていると、右側へのキャスリングはできません。

右側へキャスリングするときキングが通過するマス

 下の図の赤く表示されているマスが攻撃されていると、左側へのキャスリングはできません。

左側へキャスリングするときキングが通過するマス

 次の場合は、左側のキャスリングができない状態にあります。

 では、これは問題にしましょう。
 クイーンを使って、邪魔をしているルークだけを取り、左側にキャスリングしてください。


 では最後に、現実的な形でのキャスリングの練習です。
 3手でキャスリングしてください。


チェスの勝ち方

チェスの勝ち方


 おつかれさまでした。

 あなたは、もうチェスのルールをすべて覚え、ゲームを始めることができます。


 とはいえ、実際のゲームはいきなりチェックメイトを狙えるわけではありません。
 チェスには勝ち方があり、勝つためにはまずゲームを有利に進めないといけないのです。

チェスの勝ち方


 では、有利か不利かはどうやって判断するのでしょう。
 大きくみるなら、その基準は「戦力」です。


戦力を知る


 戦力とは、簡単にいうと「駒の数」です。
 駒の数が相手よりも多ければ、ゲームを有利に進めることができますね。

 しかし同じ1つの駒でも、ポーンとクイーンが同じ戦力とは思えませんね。
 チェスの戦力を正確にいうと「駒の数と質」になります。


 駒の質、つまり駒の強さ点数で表すことができます。

クイーンクイーン9点
ルークルーク5点
ビショップビショップ3点
ナイトナイト3点
ポーンポーン1点

 自分のビショップ(3点)を犠牲にして、相手のルーク(5点)を取ったとします。
 自分は3点のマイナス。相手は5点のマイナスになりますね。

 つまり、あなたの戦力は相手の戦力と比べて、2点高くなったということです。
 2点ということはポーン2つぶん。大きな戦力の差になります。


 では、問題です。
 いま、白と黒の戦力はまったく同じです。

 2手で黒の戦力を上回ってください。


オープニング


 チェスのゲームが始まり、あなたが最初に目指すべきことは次の3つです。
 常に、この3つを意識した手を指すようにしましょう。

 ・ 強力な駒たちの通り道をつくる
 ・ 駒を中央へ集中させる
 ・ 少しでも早くキャスリングをする


 中央とは、下の図の赤く表示されているマスのことです。

チェスの中央の範囲


 中央にいるナイトと、にいるナイトの移動範囲(攻撃範囲)をみるとその差はあきらかですね。

チェスの中央と隅の移動範囲の差


 チェスのゲームは、このように駒を効率よく動かせる位置に移動させていくことから始まります。
 この段階をオープニング(序盤戦)といいます。

 「総員、戦闘配置につけ!」といったカンジです。

チェスのオープニング

空間を支配する


 下の図で、赤く表示されているマスは、白の駒たちが攻撃できるマスです。
 この赤く表示されている空間は、白が支配しているといえます。

チェスの支配している空間


 さて、ゲームが始まり、あなたはどの駒を最初に動かしますか?

 強力な駒たちは、自分のポーンが壁になっていて、ナイト以外は動くことができませんね。
 まず、ポーンを動かして強力な駒たちの通り道を作りたいところです。

チェスの開始時の配置


 チェスを始めたばかりの人が、よく最初に動かすのは両サイドのポーンです。
 強力な駒である2つのルークを、前線に出そうとするのですね。


 下の図が、両サイドのポーンを動かしたあとの支配図です。

 あまり空間は広がっていませんね・・・。
 とくに、最も駒がぶつかり合う重要な拠点「中央」がスカスカですね。

両サイドのポーン移動後の支配図


 理想的な支配図はこんなカンジです。

 クイーンと2つのビショップにナナメ方向の通り道ができて、敵陣に突き刺さっています。
 2つのポーンも中央を大きく支配していますね。

中央のポーン移動後の支配図


ゲームの流れを観戦


 では、チェスのゲームが実際にどのように進むのかを見ていきましょう。

 今回観戦するのは「チェスのルール > ゲームの進み方」で動いていたゲームです。
 当時は、なにが起こっているかわからなかったゲームも、今のあなたなら理解できます。


 白の1手目

 まずはキングの前のポーンを進めます。中央にポーンを並べるのが目的です。
 これによって、クイーンとビショップはナナメ方向への通り道を得ました。

チェスゲーム開始


 黒の1手目

 同じくキングの前のポーンを進めます。白のポーンが並ぶのを防ぐためです。
 次に白のポーンが並んでも、黒のポーンで取ることができます。

チェスの黒の最初の1手


 白の2手目

 じゃまな黒のポーンを取るために、ナイトを中央へ進めます。
 キャスリングのための道も1つ空きました。

ナイトを中央へ進める


 黒の2手目

 タダでポーンを取られてはたまらないので、ナイトを進めてポーンを守ります。

ナイトでポーンを守る


 白の3手目

 キャスリングのため、ビショップを中央へ進めます。
 これでキャスリングの準備は整いました。

キャスリングの準備のためにビショップを進める


 黒の3手目

 白マスにいるビショップの通り道を作るため、ポーンを進めます。
 さらに中央のポーンを、ナイトと共同で守る形になりました。

ポーンを守りながら通り道を作る


 白の4手目

 ナイトを進めて、中央を強化します。
 本来ならここでキャスリングをするべきですが、まだ余裕があると判断しての1手です。

本来ならキャスリングをするべき


 黒の4手目

 ビショップを進めて、白のナイトにプレッシャーを与えます。
 うっかり白のナイトが動けば、ビショップでクイーンを手に入れることができます。

ビショップでナイトをピン


 白の5手目

 白は何を考えているのでしょう!
 ナイトはクイーンの大事な壁になっているのに、ポーンを取りにいってしまいました。

ピンを無視してナイトが無謀な飛び込み


 黒の5手目

 当然、大事な壁をなくしてしまった白のクイーンを、ビショップで取ります。
 これで戦力は白がマイナス9点、黒がマイナス1点。圧倒的な戦力差です。
 黒は勝利を確信します。

白がクイーンを失う


 白の6手目

 白のクイーンが盤上から消えた瞬間、勝利を確信したのは白の方でした。
 そう。これは白が仕組んだ巧妙な罠!
 ビショップでチェック!

チェスのチェック


 黒の6手目

 黒がチェックを防ぐ手は、1つしかありません。
 キングを1歩前進させて、チェックを逃れます。なんだか雲行きがあやしくなってきました。

白の罠にハマった黒


 白の7手目

 チェックメイト!!
 まさかの大逆転。黒はチェックを逃れるすべがありません。
 美しいチェックメイトの形です。

チェックメイト


 通常はオープニング(序盤戦)→ミドルゲーム(中盤戦)→エンディング(終盤戦)と、ゲームが進んでいきます。

 今回、観戦したのはオープニングのうちにチェックメイトになった、かなり珍しいゲームです。

 このゲームのように、白が仕組んだ罠のことを「ハメ手」と呼びます。
 黒にしてみれば、まさに「ハメられた!」ですね。


上達するために

棋譜の読み方


 これまでチェスのルールを説明するのに、避けてきたことがあります。
 それは、アルファベットや記号による解説です。

 なぜならそれは、とてもわかりにくいものだからです。


 しかし、あなたが強くなろうとするとき、過去の名人たちの対戦記録「棋譜(スコア)」を読むこともあるでしょう。

 ですから、ここで簡単に説明していきます。
 これを知らなくてもゲームはできるので、読み飛ばしてもらってもかまいませんよ。


 チェス盤は8×8のマスがありますね。
 それぞれのマスには番地がふられています。
 次で説明しますので、じっくり見ないでください。目が痛くなります。

チェスのマスの番地の読み方


 マスの番地を調べるには、下のアルファベット左の数字を見ればよいのです。

チェスの棋譜


 では、こんなところでも問題です。
 1手でクイーンを「c2」へ移動させてください。


 駒はアルファベットの大文字で表します。

キングキング
クイーンクイーン
ルークルーク
ビショップビショップ
ナイトナイト
ポーンポーン

 これだけ覚えれば、駒がどこへ動いたか表現できます。

 「Qc2」と書いてあれば、クイーンc2へ動いたことになります。

チェスの棋譜(スコア)


 この「Qc2」に記号を付け足すことがあります。

 ・ 相手の駒を取ったときは「c2」とします。
 ・ チェックだったときは「Qc2」とします。
 ・ チェックメイトだったときは「Qc2」とします。


 では問題です。以下の順番で、駒を動かしてください。

 1.Rh6
 2.Qf6
 3.Rh8


 今の問題に、黒の動きも付け足して記録すると、以下のようになります。

 1.Rxh6 Kg7
 2.Qf6+ Kg8
 3.Rh8#

 はい。これでスコア(棋譜)の完成です。
 チェスは「白の1手目」→「黒の1手目」という表現なので、「1.」の横に2つ並びます。


 下の図から「e4」とするとき、どんな動きになるでしょう。
 2通りありますね。こういう場合は、もともとの番地を付け足して区別します。

チェスで同じ番地へ移動

 現在の番地は左のルークが「c4」。右のルークが「g4」ですね。
 「」は同じなので、アルファベットだけを付け足します。

 「c4」のルークが「e4」へ移動したときは「e4」になります。
 「g4」のルークの場合は「e4」です。

 ルークが縦に並んでいる場合は、番地の数字だけを付け足せばいいですね。


 ポーンの移動は「e4」というふうに、座標のみで表し「P」は付けません。
 相手の駒を取ったときは、前にいた番地のアルファベットと「」を付け足します。

 下の図で説明します。
 「c2」のポーンが「c4」へ移動したときは「c4」になります。
 「g5」のポーンが、「f6」にいる相手の駒を取ったときは「f6」になります。

チェスのポーンの表記法


 ポーンがプロモーション(昇格)したときは、「」と駒のアルファベットを付け足します。

 ポーンが下の図のように進み、クイーンにプロモーションしたときは「e8=Q」とします。

チェスのプロモーションの表記法


 キャスリングをしたときは特別な表現をします。

 右にキャスリングしたときは「O-O」とします。
 左にキャスリングしたときは「O-O-O」とします。

 ルークが動くマスの数だけ「」が付くと覚えてください。

チェスのキャスリングの表記法


 ゲームの終わりは、チェックメイトならば「」が付くのでわかりますね。
 しかし、降参や引き分けで終わったときは、勝負の結果を記入する必要があります。

 白が勝ったときは「1-0」と最後に記入します。
 黒が勝ったときは「0-1」と最後に記入します。
 引き分けだったときは「1/2-1/2」と最後に記入します。


 ここまで学んだことで、1ゲーム全てを表現することができます。

 実際のゲームのスコアでは「!(良い手)」や「?(疑問の手)」が付いていることもありますが、駒の動きとは関係がなく感想のようなものです。


 最後のまとめです。以下の順番で、駒を動かしてください。

 1.Nxg4+
 2.O-O-O+
 3.a8=Q#


レーティング


 レーティング(棋力)とは、チェスの強さを点数にしたものです。
 勝てば上がり、負ければ下がります。

 自分のレーティングが上がることで、「強くなった」と実感できます。


 国際レーティングがレーティングの主役ですが、ちょっと遠いお話ですね。

 身近なところでも、レーティングを導入しているところがあります。
 ネット上で対局できる場所などです。

チェスのレーティングの一覧


 レーティングの高い相手に勝てば、あなたのレーティングは大きく上がります。
 逆に、レーティングの低い相手に勝っても、少ししか上がりません。

 レーティングの差が200あれば、75%の確率で勝つことができるといわれています。
 4回戦えば、3勝1敗です。

チェスのレーティングの変動


 チェスを覚えたばかりのあなたのレーティングは、500前後だとおもいます。
 もちろん個人差はあります。


 このあと紹介する「初心者用チェスゲーム - チェス入門β」でも、レーティングが測定できます。
 手軽にレーティングを測定できるので、ぜひ試してみてくださいね。

チェスのレーティング


 以下が、あなたが目標とすべきタイトル保持者の、おおよそのレーティングです。
 とんでもない数値ですね…。

 世界チャンピオン:2800
 グランドマスター(GM):2600
 日本チャンピオン:2300


 ちなみに、将棋の七冠タイトルを独占したことで有名な羽生善治さんはチェスもしています。
 彼の国際レーティングは2382で、日本国内でトップです(2006年4月現在)。

チェスをする羽生善治


最後に


 これで、いったん読みものは終わりです。

 長らくお付き合いしていただき、ありがとうございました。


 次のページで、実際にチェスの対局をしていただきます。

 チェスのルールを覚えたばかりのあなたが、もっとも上達するのは実戦を経験することですからね。
 最初は負けてばかりでしょうが、あきらめないでがんばって下さい。


 そして、あなたがチェスに興味を持ったことを紹介してくだされば、とても嬉しく思います。


 最後に、メッセージをいただけると光栄です。


いざ実戦へ


 最初はコンピュータを相手にするのがよいでしょう。
 遠慮せずに、じっくり考えることができますからね。チェスの対局に慣れるのに最適です。



 チェスを覚えたばかりのあなたは、なかなか勝つことができないかもしれません。

 「何度やっても勝てない、勝てそうなのに引き分けになってしまった」
 そうなったときは、またここへ戻ってきてください。

 チェス入門では、より強くなるための「テクニック(戦術)」も紹介しています。